四月は君の嘘 感想

記念すべき第1回目のアニメの感想記事は・・・

四月は君の嘘

アニメが放送されたのは2014年10月なのでもう結構経ってますね。

前期OPの「光るなら」はかなり好きで聞いていたんですけど、アニメ自体は見ておらず、知り合いにオススメされたので見ておこうと思ったんですよね。

ちょうど4月にもなりますし。

ヒロインが死ぬ話だっていうのは知っていたので、序盤からキャラクターに感情移入しやすくて逆によかったかもしれません。とりあえず、このアニメを見てまず思ったのは

登場人物の泣くシーンがめっちゃ綺麗

ってことですね。

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©️荒川直司・講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

作中通して登場人物が泣く場面が他のアニメと比べても多いんですが、それもあってより印象的でしたね。話の題材としてはピアノを扱っていますが、内容的にはそれぞれの感情のぶつかり合いです。涙を浮かべることで感情の起伏が分かりやすく表現されていたと感じました。涙腺がゆるゆるのオタクなので結構な頻度でもらい泣きしました。泣きたい方にはオススメのアニメかもしれません。

 

感情の話をしたところで、この物語の主題的なものを勝手に想像してたんですが、主人公である有馬公生

「感情に気づく物語」

だと思うんですよね。感情といっても様々で、恋、慈愛、憧れ、情熱、などが読み取れます。

自分の気持ちを込めて弾いたピアノを母親に否定されて心を閉ざしていた公生でしたが、宮園かをりに出会ったことが人生を大きく変え、ピアノの演奏を通じて母親の真意にたどり着くことができました。また、ライバルたちの演奏を聴くことによって、それぞれのピアノにかける思いを感じ取っていたのではないかと思います。そして最後には自分が宮園かをりに抱いている感情が恋であることを自覚するわけですね。椿の気持ちには言葉にされるまで気づいていなかったようで少し可愛そうですが…

全ての登場人物が主人公と接点があると言っても過言ではないほど、主人公を取り巻く感情の変化を楽しむ作品になっているのではないかと思いました。

 

また、1話のサブタイトルである「モノトーン・カラフル」にもあるように登場人物たちの感情の様子はで表現されています。ピアノにおいては、井川絵見の演奏で怒り黄色寂しさを表すといった表現があったくらいかなとは思いますが、重要なファクターであることには違いないでしょう。アニメを見てから「光るなら」の歌詞を見てみると

雨上がりの虹も 凛と咲いた花も 色づき溢れ出す

というフレーズがすごくマッチしていますよね。曲の入りからすごくカラフルな、感情豊かなイメージを見ることができます。作中にもこの曲がちらっと登場するので狙った作詞なんだろうなと。

そしてサビで出てくるこのフレーズがやっぱり印象深いですよね

涙も光るなら 流星になる

16話で公生とかをりが自転車で二人乗りするシーンは見た瞬間にこの歌詞が浮かびますね。二人の関係性が大きく動く重要なシーンなのでサビに持ってくるのも納得という感じです。聞けば聞くほどこの作品のために作られた曲なんだなっていうのが伝わってきます。

 

もう一つ重要なお話をしますと、見た人も見てない人も気になっているポイントであろう、四月は君の嘘というタイトルについてです。

嘘ってなんだろうな、いつタイトル回収するんだろうな、と思いながら迎えた最終話で告げられたのは

宮園かをりが渡亮太君を好きという嘘をつきました  その嘘は私の前に有馬公生君、君を連れて来てくれました

かをりはバイオリンの奏者であるという情報しかなかったので、昔ピアノをやっていた、公生に伴奏をしてもらいたかったという事実には驚きでした。これで1話のかをりの涙の理由も納得でき、すべてが繋がったなという感じでした。最終話を見てから全体を見渡すと、二人の関係性がまたちょっと違った風に見えるのでもう1回見直したくなりますね。かをりは最初から公生のことが気になっていたと思うとニヤニヤしながら見られそうです。

 

嘘の内容も分かったしこれでスッキリしたな〜と思ったところで、タイトルの「四月」にはどういう意図があったんだろうとふと気になりました。確かに二人が「嘘」によって出会ったのが四月といえばそれで終わりなんですが、作中では四月というより「春」というワードの方が頻繁に出てきていたんですよね。春=四月=かをりとの出会い、と置き換えることはできますが、公生としては直接的な表現は避けて春という言葉にとどめているのではないかなと思いました。登場人物の干渉しないタイトルであるからこそ「四月」という、より具体的なワードを使うことで印象を強く持たせられるのだろうというメタ的な考えに落ち着きました。この辺りは人によって考察が色々と異なりますね。

 

もうすぐ四月が来ますが、みなさんにとっても良い出会いの季節となりますように。